スシゴコロ ~寿司とSUSHI~

寿司をもっと世界に広めたいと願う料理人の思うこと

外国人生徒さんと和包丁

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外国からやってくる生徒さんの中で和包丁に並々ならぬ興味を持っている人がいます。日本語でいうところのオタク、英語で言いますとフリークですね。そんな包丁オタクの外国人生徒さんは学校にご自慢のコレクションを持ってやってきます。日本人の料理人でしたら各自お気に入りのブランドで揃えるのが一般的ですが、外国人の生徒さんはブランドよりも見た目にこだわる人が多いですね。刺身包丁なら普通の「柳刃」よりも「蛸引き」、更には「先丸」や「切付」等々、他とはちょっと見た目が違うところに興味を持ちます。素材でいうと白紙か青紙、その構造と焼き入れの仕方で本焼きや霞などがありますが、そういう難しいお話はナシにして、見た目がクールなダマスカス鋼を好んだりします。

 

例えばこんな感じ↓ 

 

 料理道具と言えば合羽橋ですが、近年では外国人の観光客が多くみられる様になりました。英語や中国語、中にはフランス語対応のお店も出てきてもはや立派な観光地ですね。浅草に近く利便性が高いのも人気の秘密でしょう。オススメは「良い道具には良い理(ことわり)がある」をモットーにされる釜浅商店さんですね。包丁を始め、色々な料理道具が揃いますので、すし学校の生徒さん達がいつも大変お世話になっています。

 http://www.kama-asa.co.jp/

 

しかしながら、すし学校の生徒さんの大体は包丁のことが良く分からない人たちです。そこで学校ではオススメの包丁をセットで販売していますが、一番大事にしているのがその使いやすさです。よく「じゃぁ実際のところ、どんな包丁が良いの?」と聞かれるのですが、包丁は使い手に合ってこその道具ですので、その人の技術や力量に合わせてオススメするように心がけています。メインテナンスのしやすさも大事な点です。鋼の包丁は水やお酢に触れると直ぐに錆てしまいます。そこで特に初心者にオススメなのが銀三と呼ばれるステンレスの包丁です。錆に強く、手入れが格段に楽です。実際の切れ味は白紙や青紙には劣りますが、そういった切れ味を求めるのはある程度技術が上達してからで良いと思います。 

 

 例えばこんな感じ#2↓

兼松作 銀三鋼 柳刃庖丁 24cm

兼松作 銀三鋼 柳刃庖丁 24cm

 

 

メインテナンスの一つに研ぐ作業がありますが、これがまた初心者にはとても難儀でして、研ぎをマスターするには結構な時間がかかります。最初はなかなか上手く研げませんので、先の方の形を変えてしまったり二段刃にしてしまったりなど失敗が多くなります。どんな料理の達人でも、初めて使った和包丁の1、2本は上手く研げずにダメにしてしまうものなのです。そんな初心者の生徒さんたちに10万円以上もする白紙の本焼きなどは到底オススメできません。先ずは自分に合ったサイズ、柳刃でしたら8寸24センチ、素材は銀三でお値段は2万円以下のもので十分と思います。「銀三は切れ味が悪い」という料理人さんがいますが、確かに出始めの頃は粗悪品もあり評判は良くありませんでした。でも、それはもう随分と昔の話です。改良が進み、切れ味の良い銀三の包丁が数多揃っています。もし和包丁に興味のある方は是非この銀三の包丁を入り口に和包丁の世界に入って頂きたいと思います。本日も最後までお付き合い頂きありがとうございました🍣